2009年12月30日 (水)

こい話し7

 建二が大学に入学したころは、大学紛争は終わりかけていた。しかし、セクトが授業をしている教室を占拠することはしばしばあった。

 ある日、細木助教授が授業を始めようと教壇に立ったときである。数人のセクトが教室になだれ込んできた。助教授からマイクを奪うと、授業を受けようと座っている建二たち学生に語りかけた。

 「この授業を話し合いの場に変える!」

 そのとき、建二は助教授を救わねばと思った。そこで、手を上げてしまった。セクトたちの目が一斉に建二をとらえた。建二は言った。

 「この授業を話し合いの場に変えるか、みなさんの決を採ってください」

 何を思ったのか、壇上のセクトは決を採った。すると、反対多数でセクトのもくろみは破れてしまった。セクトたちは一目散に教室から出て行った。その後、学生たちは助教授の授業を受けることができた。

 翌日、助教授室では、昨日の事件が話題に上っていた。建二はこのことを里美がどう思ったか少し気になっていた。

 この物語はフィクションであることをお断りしておきます。

               by ダジャマン

2009年12月29日 (火)

旗本退屈男

 今日は、意地悪をしたので天罰を受けました。

 小5に模試の答案を返そうとすると、ある男の子が「今日は返さないでください」と言います。その子の目を見ると、涙をためています。にもかかわらず、返してしまいました。その子は、塾が終わると「妻を大切にしてください」と言って帰って行きました。

 夕方、散髪に行きました。このとき、意地悪をした天罰が下ったのです。普段から行きつけの理髪店で、散髪をする人の腕は確かなのですが、今日に限って顔そりを失敗したのです。額にカミソリの刃がちょんと当たったとき、額に痛みが走りました。そうです。額が切れていたのです。まさに、早乙女主水之介の額にある傷のように。小5の男の子が哀願したのに無残にも無視をした報いなのでしょうか!

 家に帰り、妻に額を見せると、「たいしたことない」の一言で片付けられました。

                by ダジャマン

2009年12月28日 (月)

月曜サスペンス

 教室から女の子の「キャー」と叫ぶ声。危うしダジャマン。ダジャジャジャーン、ダジャジャジャーン!

 今日は、小学6年生の模試の答案を返す日です。生徒は、怖いけど見たい、見たいけど怖いという複雑な気持ちです。それを見透かして「今日は答案を返しません」と言うと、ブーイング。そこで「まず、算数の答案を返します」と言うと、生徒たちは不規則な動きに出ます。「イヤダー」と言う子、早くもらおうと私に近寄ってくる子。その生徒の中に一人変わったことを言う子がいました。

 「先生、点数を書いているところを折って返して!」私は裏向けた答案をとっさに折って返しました。そのときです、絹を裂くような悲鳴が教室に響き渡ったのは。私は点数を書いているところと反対の箇所を折って答案を返していたのです。その子は答案を見るやいなや悲しき点数を目の当たりにすることになったのです。

 責められると思いきや、その子は私の顔を見て、「前より上がっちょったー!」と言いました。

             by ダジャマン

2009年12月27日 (日)

どくがく

 今日は模試の日でした。また反省の日であり、楽しみの日でもあります。生徒の答案を採点していますと、これを教えておいたらよかったとか、よくできているなとか、いろいろな思いがめぐります。さらに、生徒の意外な一面をも垣間見ることができる日なのです。

 模試の国語に「どくがく」の書き取り問題がありました。試験中は内容についての質問は受け付けないのですが、ある女の子から、「先生、『どくがく』とは毒のある学校のこと?」という質問を受けました。私はつい、「違う」と言ってしまいました。

             by ダジャマン

2009年12月26日 (土)

タイガー2

 来年の寅年で楽しみの一つは大河ドラマ「龍馬伝」です。今までの竜馬を演じた俳優を見てみますと、「竜馬がゆく」で演じた北大路欣也は、東映時代からのスターであり、そこに重みを感じました。「新撰組」での江口洋介の竜馬は、竜馬というよりもその俳優の個性で見てしまいました。「篤姫」での玉木宏の竜馬も「新撰組」の場合と同じです。民放での市川染五郎の竜馬は人がよさそうでした。「JIN-仁-」での内野聖陽の竜馬が一番土佐人になりきっているようですが、私の竜馬のイメージは違います。

 竜馬には沈着さがあったように思います。高校時代に剣道の先鋒で一度も負けなかった使い手がいます。その友人が竜馬とかぶさってしまうのです。あれほどの大業を成し遂げた人物には沈着さと信念がなければと思っています。「龍馬伝」での福山雅治に、その沈着さと信念を見ることができればと思っています。

              by ダジャマン

2009年12月25日 (金)

ケーキ

 今日は、女の子から、「先生、クリスマスプレゼントもろうたー?」と聞かれました。しゃくにさわりますので、口では答えずに、かかとをくっつけて両足を直角に広げると、「バツやからもろうてない!」と応じます。さらに続けて、「その足はバレーでゆうたら初めのポーズや」とまで言われました。

 こちらから小5の男子に何をもらったか聞きますと、「服が玄関のフックにかけてあったー。それも袋に入れて」と幸福せそうに言いました。

 今日は、昨日の残りのケーキを直角食いです。

          by ダジャマン

2009年12月24日 (木)

ランダム

 「先生、私んとこランダムよ」「え、マンダム?」

 変な会話をしています。今日はクリスマス・イブなので、クリスマスプレゼントの話なのです。親にプレゼントとしてほしいものを直接言わず『親まかせ』というのが『ランダム』なのだそうです。別の塾生は「今日、親といっしょに買いに行く」というのです。「プレゼントはサンタさんにお願いするものだ!」と私が一人もがっても、「サンタはいないもー」と言って、だれも相手にしてくれません。

 今夜は、景気よくケーキをランダムに食べまくって眠ることにしましょう。

              by ダジャマン

2009年12月23日 (水)

こい話し6

 建二が通っている大学は山の中腹にあった。朝は電車で山のふもとまで行き、それからバスで中腹の大学まで行った。帰りは山の下まで歩いていくことが多かった。

 ある冬の夕暮れ、友人三人と山のふもとまで歩いて下りていると、途中で並んで歩いていた友人の一人が消えてしまった。横を見ると、穴に落ちていたのである。まさに懸垂状態、両手で自分の体をささえ、間一髪無事だった。だから、暗くなり始めた帰り道は注意して歩かなければならなかった。しかし、夕暮れの港町のネオンはそれなりに美しく思ったものだ。この夜景を見ながら、建二は里美たちとよく一緒に歩いて帰った。

 そもそも建二が里美と出会ったのは、大学の細木助教授の教官室だった。大学1年生のとき、教官がグループ生を募集し、合格したものが教官室の使用を許されるのである。大学に入学したころは友人も少なく、居場所も多くなかったので、建二たちは授業がないときはよく教官室に行った。そこで、いろいろなことを話し合ったりした。そこから、建二・明・治・和雄・里美・晶子・咲の間に仲間意識が芽生えていった。

 今日の話は架空のものであることをお断りしておきます。

           by ダジャマン

2009年12月22日 (火)

冬至

 湯治でゆず風呂に入るという温泉地でのテレビ中継を見ました。「融通がきかんことを言うな」とテレビに向かって独り言を言うと、「ゆずが体にきくということでゆずを入れます」とアナウンサーが解説していました。

 今日はカボチャも食べたし、あとはゆず風呂に入って眠ることにしましょうか。

             by ダジャマン

2009年12月21日 (月)

帽子と機関銃

 小4の女の子はまるで機関銃のようによくしゃべります。塾に来るなり、「先生、学校でクリスマス会ができんようになりそう。」クラスの3人が宿題をやってきてなくて、その子たちが次までにやって来なかったら、先生がクリスマス会を中止にするとのことです。「その子たちは自分に甘いがよ」と大人ぶった言い方をします。

 授業に入り、机をまわっていると、「先生、いいにおいがする。何か食べゆうやろう」と言われました。きっと私がつけているハンドクリームの匂いがしたのでしょう。ハンドクリームなどとんとつけないのですが、ここ数日の寒さで手がかさかさ、バリバリとひびわれています。だから、めずらしくつけていたのです。子どもは敏感ですが、何か食べている、とはやはり子どもが考えることです。

 帰りに、保護者が品物を持って塾に来ました。子どもが「それ何、そば?」「それとも帽子?」と言ったところで、母親に「これ!」と頭をこづかれながら帰って行きました。

                by ダジャマン

«笑いの伝染

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