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2007年8月 4日 (土)

音で楽しむ夏

 夏は季節感を「音」からじかに感じることができて、大好きです。聴覚を研ぎ澄まさなくても、ガンガン聞こえてくるクマゼミの鳴き声を筆頭に夏らしさを満喫できる素敵な音に満ち満ちています。

 その中でも最高に味わい深いのは、やはり早朝です。まだ家族は全員すやすやと眠り、夢見心地の夜明け前、うっすらと東の空が明るみ始めた頃、うっそうと繁る城山の森の奥の方から鳴り響いてくる「ヒグラシ」の鳴き声。カナカナカナカナ・・・の音は、優しく耳に囁く、一服の清涼剤となって耳から心の奥底に流れていくようです。

 ヒグラシの鳴き声は、ニイニイゼミとのハーモニーを奏でていますから、よけいに味わい深くなっています。この時刻には私は決まって「おしっこ」のために目が覚めるのですが、トイレの中で耳にするこのメロディーには心癒され、気持ちは和み、心の中もすっかり涼しげになるのです。

 枕草子の清少納言さん風に、「夏はつとめて(=早朝)」とでも表現したくなるような、冷涼感に満ち、しかも幽玄の趣きのあるしみじみとした音が、私の家の周りには毎朝きまって響き渡っているのです。

 二番目に推したいのは、冷たい川にドボンと飛び込み、すーいすーいと泳いでいる真最中にも耳に入ってくる音です。まずは、落差のついた川筋から聞こえてくる「せせらぎ」の音。これを聞くとはなしに聞いていると、気持ちは安らぎ落ち着き、平和な気持ちになって誰にでも優しくできそうな心持ちになっていくのを実感します。

 向こう岸からは、夏らしさをかもし出す、昼日中でも盛んなアブラゼミの鳴き声、鼻をつまんだような発音で「ミーンミンミンミンミー」と鳴くのどかなミンミンゼミの声、そしてどのセミが鳴いていても必ず出てくる(笑)ニイニイゼミとの合奏には、秋の虫の先陣を切って登場してくる「キリギリス」ののん気で優雅なギィーギィーギィィーーーと羽を合わせて奏でる音も混ざり合って、絶妙の交響曲となって私を楽しませてくれるのです。

 音で楽しむ夏。今本番を迎えようとしています。

by kururin

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