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2007年9月14日 (金)

モチベーションを高めるトークの一例

 夏季講習・夏季特別講習では、中3クラスは平常よりもかなり長時間の、集中的な授業を行ないました。授業そのものは、成績上位の人たちに照準を合わせたレベルの高い講義を目指しているわけではなくて、クラス全体の底上げを狙って、基礎学力の定着を図るために徹底して基本的な問題を繰り返し演習しました。

 能力別クラス編成にもせず、30名を同じ教室で同時に教えるために、どのレベルに合わせた授業を展開するかに悩みます。それでも結局、私の「できない塾生にもあくまでも優しく、とことん寄り添いたい」という性格的な傾向から、底辺に合わせながらも、上位陣にも気を遣って、授業を受けながらこなせるプラスアルファとしての「解答・解説付きの教材」も準備して渡してやってもらうという複式的な授業を行なうのです。

 塾業界では「個別指導」が主流になりつつありますが、私は時代に逆らって究極の集団指導を探求しているのです。

 そういう基本・基礎学力徹底を目指した、どちらかというと学力の低い塾生諸君の方に目を配り、底上げを図る授業を心がけていると、不思議な現象が現れるのです。それは、「できる方の層の成績上昇が顕著に見られる」ことです。繰り返し、基本に忠実な学習を継続していると、遠回りのように見えて、実は逆に成績アップへの近道なのかも知れませんね。

 成績がどれだけ上昇または下降しているかを確認するために、中3クラスは「くろしお進学会の模擬テスト(隔月に実施)」を受験しています。今年度は4月・6月・8月と3回受験しています。夏休みの最後の日に受けたテストの結果は、6月と比較してかなりの点数・偏差値アップを見せてくれました。

 具体的に言うと、中3塾生の80%が偏差値を上げてくれたのです。上昇のポイントでランキングを作ってみました。ベストテンは次の通りです。

 1位  +6.6  Aさん  47.7→54.3
 1位  +6.6  Bさん  50.3→56.9
 3位  +5.8  C君   33.1→38.9
 4位  +5.0  D君   63.7→68.7
 5位  +4.3  Eさん  50.5→54.8

 6位  +3.3  Fさん  64.5→67.8
 7位  +2.5  G君   46.0→48.5
 8位  +2.1  Hさん  42.9→45.0
 9位  +1.0  Iさん  64.2→65.2
 9位  +1.0  Jさん  41.9→42.9

 成績返却時の「モチベーションを高めるための訓話」には、この具体的なアップの数字を用います。夏に頑張った成果を調べ、評価し、認め、褒め上げるのです。お世辞やお追従やお愛想で、作り笑いを浮かべて適当に行き当たりばったりに誉めるのではなく、実際の数字を示して事実の裏づけのもとで、みんなの前で名前を挙げ、言葉を尽くしてその「努力」や「頑張り」の成果を誉めてやるのです。

 みんなの前で先生に誉められて悪い気がするはずがありません。

「夏の暑い盛りにクラブ活動と両立しながら、よく頑張ったねぇ」

「やればできたじゃあないか。たいしたものだ」

「この調子で行けば、県下の最難関校でも上位で合格できるよ」

 こうして誉めていくと、それぞれの心に達成感や充実感が満ちてくるのです。誉められた当人たちは、自信と誇りに満ち溢れた表情で、実に晴れやかでにこやかです。

 そして学習に向かう姿勢はますます真剣で真面目になり、さらなる高みに向かって進もうというチャレンジ精神が燃え盛り、言われてする勉強ではなく、あくまでも主体的な受験勉強にも拍車がかかってくるのです。

 一方で、成績が伸びなかった塾生に対しては、かなり気遣いをします。けっしてみんなの前で指摘したり、名指しで批判したり叱ったりはしません。

「前より下がったなぁ。ダメじゃあないか」

「全然勉強せんかったから、はっきりと成績に表れたんだよ」

「怠けてばかりだから仕方がないよ」

「このままじゃあ志望校は、はっきり言って到底無理だね」

などとは、絶対に言いません(笑)。

 否定的で消極的な言葉を無神経に浴びせかけていると、自尊心を傷つけ、気持ちを萎縮させ、ますます学習や受験勉強に向き合う気持ちを失わせることにしかならないからです。自信を喪失するような思いやりのない言葉を、無責任に投げ掛けたりするのは嫌なのです。

 頑張ったのに今一成績アップの形として現れない者、遊びたい怠けたい気持ちに負けて、夏の学習量が明らかに不足している者、クラブ活動に時間を取れれすぎて成績が下降してしまった者、そんな塾生たちをやる気にさせることこそ、私の手腕の発揮のしどころなのです。

 好成績を喜ぶ仲間をしり目に、成績をアップさせられなかった数名は、自分の成績を受けとめ、それなりに反省し、傷ついていることでしょうから、それに追い討ちをかけることなどはせずに、けっして誇りを傷つけないように、しかし心の中では「奮起」してもらうように上手に導いていく思いやりや工夫が必要なのです。

 そのために、語気も荒くけなしたりくさしたり、悪し様にののしったりするのではなく、塾で机を並べて学習している仲間たちが、それぞれに精進して成果を上げている姿を、お手本とさせ、受験勉強に対する目覚めとするために、伸びた塾生諸君の頑張りを讃えるのです。

 悔しさ、羨ましさ、恥ずかしさ、そして自分自身のふがいなさに向き合い、日々の勉学の苦しさから逃げるのではなく、

「今日からは俺も(私も)奮起して頑張るぞ、やるぞ、本気で勉強を始めるぞ!」

「あいつにできて、俺に(私に)できないことがあるもんか!」

そういう気持ちになって、自ら立ち上がり、やる気になって勉強に取り組み始めるきっかけとしてもらいたいのです。

 自信を取り戻させるためには、本人に頑張ってもらうしかありません。自分の努力によって成績を伸ばしていくよりほかに方法はありません。傷つける言葉もかけない代わりに、へんな慰めの言葉もかけません。やるっきゃないからやりなさい。「やればできる」は「やらねばできない」なのだと、諭すのです。

 具体的に志望高校を受験できるのか、合格の可能性はあるのか、そういったことはまだ今の段階ではあえて言わないようにしています。半年もあればどんな塾生だって、不可能と思われる壁を突き破ったり乗り越えていくくらいに見違える成長を見せる可能性を秘めているからです。

 ただ頑張りを示すことのできる時間も限られているのは、厳然たる事実ですから、目覚めを促すために私としてもたまには、つばを飛ばしながらの熱弁をふるうのです。それが今の時期の私のモチベーショントークなのです。

 今回、成績のふるわなかった者たちに対するアドバイスとしては、次のような話をしました。

「今の時期に成績が悪くて反省し、一念発起して頑張った者は、秋の深まる頃に成績が上がってくる」

「逆に今の成績の良さにいい気になって油断したり、勉強に対する厳しさを失ったら、逆に冬には成績が落ちるものだよ。先輩にもそういう失敗をして受験直前に焦った者もいる」

「不成績が自分にとっては良い薬になったと、後で喜んで振り返ることができるように今目覚めて、あきらめずあせらずコツコツと地道に学習を積み重ねなさい」

そう言って、けっして自信を喪失したり、受験を悲観したり、志望校を早い段階であきらめたりしないように、励ましプライドをくすぐりつつ、受験に向かう真剣なる姿勢に導いていくのです。

by kururin

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