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2007年10月

2007年10月30日 (火)

「いごっそう」と「はちきん」の塾 後編

 土佐人の気質(かたぎ)を表す言葉に「いごっそう」というのがあります。頑固一徹で、こうと決めたらてこでも動かない、ただし協調性や柔軟性にはなはだしく欠け、人の話を聞かず、自説にあくまでもこだわる、っていう感じの土佐特有の性格です。「いごっそう」の女性版が「はちきん」で男勝りの肝っ玉で、どんどん自分の道を切り開いていく前向きで明るく朗らかな女性のことを言います。これもまた、独自性を重んじるあまり、人の考えを聞き、取り入れて、自らを高めていこうとするところに欠けています。

 そんな「いごっそう」と「はちきん」が集まった土佐の高知の「くろしお進学会」ではありますが、みんなでお互いに足りないところは補い合い、助け合って、教え諭し合って、すこしずつでも懐(ふところ)の広い人間になるように切磋琢磨してまいりました。

 頑固でも「情に厚い」という特徴もあり、会員塾にいったんことが起これば、我が事として受け止め、誠心誠意協力を惜しまないという面も持ち合わせています。ある年には、会員塾の一人が「脳溢血」で倒れ、入院を余儀なくされた際には、会員塾の有志たちが日替わりでピンチヒッターとして教壇に立ち、3ケ月間代講をこなし、その塾を見事存続させたというエピソードもあるのです。

 会の発足当初の平均年齢は41歳でしたが、現在の会員の平均年齢は53歳となっています。塾業界の変遷も激しく、「くろしお進学会」も浮沈を繰り返しながら齢(よわい)を重ねて参りました。40代から50代ともなると、親は弱りこの世を段々と去り、自分の心と体も徐々に衰えてきます。

 実際、糖尿病、脳卒中に倒れた方々もいらっしゃいます。今でも塾稼業と闘病の両立に悪戦苦闘する方々も少なくありません。塾や自宅を火事でなくされた方々、連れ添いに白血病で先立たれた女性会員の方もいらっしゃますし、経営難から家族関係を壊した方もいらっしゃいます。みなさん、のっぴきならぬ人生の難題を抱えておられます。私とて同じでして、数年前には「うつ病」を経験しました。

 そんな窮地にあってこそ、「くろしお進学会」で育んできた人間関係、固い絆は本当に活きてきました。苦しくてめげそうになる、人生の逆境に立たされた時、孤独に打ち震え、一人もがき苦しむのではなく、理解しあい、支えあい、励ましあうことのできる、心の通じ合った仲間の存在は、生きる希望や勇気を私たちに与えてくれるのです。

 若い頃ではなく、40代・50代でまた新たなる「知己(ちき)」を得られるっていうのは、本当に稀有(けう)なことですし、この上ない人生の喜びであります。「くろしお進学会」のメンバーたちはみな、「いごっそう」「はちきん」ではありますが、人情に厚く、人との出会いに敏感な、心豊かな人間であります。平均年齢はかなり高くはなりましたが、向上心・向学心に燃える心の炎はいささかも衰えることはありません。

 本日もその熱い想いを胸に、皆様との研修会の一時を実りあるものにしようと思い、自塾のこれからの運営に活かすことのできる something new を求めて、そして同じ塾稼業を生業(なりわい)としている素晴らしい人物との出会いを夢見ているのです。

 どうぞよろしくお願いいたします。

by kururin

2007年10月29日 (月)

私塾ネット四国での発表・「いごっそう」と「はちきん」の塾 前編

 こんにちは。はじめまして。地元・高知県の「くろしお進学会」副会長の辻慶太と申します。「慶太塾」という名の塾を須崎市で25年間運営しております。

 本日は、私塾ネット四国の皆様からお招きをいただきまして、まことにありがとうございます。この度の研修会・四国塾長会議への参加は、「くろしお進学会」からは8塾、桜美学院・吉川学習教室・KV塾・佑啓塾・大津塾・土佐ゼミナール、明孔塾、そして慶太塾であります。

 今日は土佐ゼミナール岡田会長の「名代(みょうだい)」として私が「くろしお進学会」を代表して、皆様にご挨拶を申し上げさせていただきます。
 
 「くろしお進学会」は、1992年(平成4年)12月、6塾で結成し、最盛時の会員数は18塾で、2007年(平成19年)10月現在、12塾の会員数となっています。今年で結成15周年を迎えます。

 活動内容は、会員塾の協力で作り上げる自前の模擬テストの毎月実施を柱として、会員の交流、スポーツ大会、理科実験教室、公立高入試説明会、そして志を同じくする仲間たちとの出会いを求めて「塾学会」や「全国学習塾協会」などのイベントに参加をしたりと、多岐にわたっています。

 もちろん土佐の人間はみんなお酒が大好きですので、反省会や懇親会の名の下に「飲み会」も度々実施して、会員同士の密なコミュニケーションをはかっています。

 理念としましては、「会員塾相互の向上と親睦とを目的とし、学習指導を通して健全な子どもの育成を行う」ことや「子どもたちが、将来『くろしお』の名のごとく、温かい心を忘れず、そして力強い大きな流れのような人物に育っていくことを期待する」などのもとに、15年間研鑽を重ねてきました。

 「土佐のメダカは群れたがらない」と県民の間では流布(るふ)していますが、私たちは岡田会長のもと、珍しく群れました。塾稼業は出会いや学びの場が少なく、自ら向上心を持って世界を広げていかねば、自塾の教育に深さと広がりを持つ事ができません。知らず知らずのうちに「井の中のかわず」になってしまう怖れがあります。

 「太平洋のくろしおで泳ぐでっかい鯨」のような人間にはまだまだほど遠いですが、私はこの会に所属し活動することにより、人間的な幅は確かに広げることができたと思います。

to be continued
 by kururin

2007年10月24日 (水)

くろしお進学会テスト採点

 今日は早朝7時から、昨晩実施した「くろしお進学会・高校入試摸擬テスト」の採点をしました。正午が結果表のメール提出締め切り時刻になっていましたから、集中して能率を上げて採点していきました。採点ミスをしないように細心の注意を払わねばなりませんから神経を使います。

 今回から「志望校合格可能性」の判定を行ないます。合格・準合格A・準合格B・要努力の4段階です。早くもそんな時期になったんですね。時の過ぎ行く速さに愕然としていまいます。志望校判定もあるテストですから、みんなのやる気も自然と出てきて、中3クラス全員がきちんと受験してくれました。

 一人で5教科を30人分以上採点しなければなりませんから、結構時間がかかります。嬉しい悲鳴です。すぐに採点が終わってしまうと悲しいですから。でも来年以降はそうなる可能性が大ですので、今の恵まれ過ぎた幸せな状況をしみじみと味わいながら、そして一人ひとりの弱点を見極めながら採点を進めていきました。

 締め切りの時刻を少し過ぎてしまいましたが、正午過ぎには全部の採点を終え、成績一覧表をエクセルで打ち込んでやっとこさ完了です。午前7時から午後12時半まで、5時間半ぶっ続けの作業で、かなり疲れました。お気楽な釣りとは、同じ時間でもやっぱり違いますね~(笑)。

 公立型のテストではなく、難関私立や高専の入試問題にも対応できるテストにするというくろしお進学会の方針がありますので、かなり難しい問題もありましたから、我が塾の生徒だけでなく全体的に受験生は苦労したようです。

 特に英語は、平均点が40点で全教科の中で一番低く、難易度が高かったようです。問題作成者は私でした。いつもは基礎的な問題中心にするのですが、今回は受験勉強に目覚めてもらうために意識的に難しい問題もかなり入れてみました。「このままではダメだ。英語の学習に真剣に取り組まなければならない」、受験生の一人ひとりがそう認識してくれることを望みます。

 将来、レベルの高い大学を目指す時、文系にしろ理系にしろ英語の力の重要性はかなりのパーセンテージとなり、合否の鍵を握ることになってきますから、ゆめゆめおろそかにしてはならないのです。国立大学を受験するにはもちろん、国語や数学と違って、私立理系でも私立文系でも、逃げることの許されぬ科目なのです。

 記号問題を少なくし、書く問題を多くしました。基本重視の線は守りながら、少し応用力を試す問題も散りばめました。各自が、自分の本当の学力がつかめたと思います。今回のテストの結果を点検し、反省し、これからの勉強計画を立て直してほしいと思います。

 今回のテストでは、我が塾からランキング(30位以内)に入った塾生は6名でした。10名は入ってほしいのですが、仲間でありライバルであるYK塾さん、OB学院さん、Tゼミナールさん、KH塾さんなど、優秀な生徒さんを育てているつわものの塾さんがおられますから、互いに競い合いながら切磋琢磨していきたいと思います。

 でも、堂々一位が出ましたよ。SMさんです。並み居る優秀な生徒さんたちを凌駕して、トップに我が塾生が君臨しているというのは、気持ちのいいものですね。この気分を味わったのは、本当に久方振りなのです(笑)。

by kururin

2007年10月19日 (金)

中1英語・得点発表

 英語を習い始めの中1クラス。一学期中は、ホワイトボードを使って英文法の説明をして、テキストやプリントで演習を繰り返しました。

 従来のこの授業は、理解力の優れた子たちにはなんの抵抗もなく、すんなりと頭に入っていきますが、英語に対して苦手意識を持っていたり、ノートやプリントに書くのが遅かったりすると、ただ写しているだけでまったく理解したり覚えたりができない状態になって、理解や知識の吸収になんらつながっていかないことになりかねません。

 英単語は「単語カード」をそれぞれに作成してもらって、塾で練習する時間も少しは取りましたが、「家庭での自主学習」に期待しました。でも甘かったです。やる子はやりますが、英語に対して苦手意識を持っている「本当は一番やってきてもらいたい子」に限ってやってきてくれません。

 ですから、もう基礎中の基礎から巻き返し繰り返し「塾の授業中に自然に覚えてもらう」ように授業の方針を変えました。毎回少しずつ進め、単語・熟語・基本例文・教科書の試験範囲の「音読」を徹底的に行ないました。

 単語暗記用のプリントは、「8個」ずつしか書かないようにして、毎日一枚ずつ増やしていきました。もちろんそれまでの復習を繰り返しますから、次第に枚数が増え、最後にはかなり密度の濃い、忙しい授業になりました。

 音読では本当に良く声が出始めましたし、単語や熟語の暗記のためのノート書きの時間も、一学期とは見違えるほどの集中力でみんなが黙々と取り組んでくれるように成長してくれました。一学期の中間テストの頃は、2分と集中力が持続しなかったのですが・・・。

 そして、英語が苦手な子たちのレベルと進度に合わせた授業を1ケ月ちょっと積み重ねた成果が次の通りです。

   一学期期末 → 二学期中間

 A   93  →   99
 B   86  →   98
 C   92  →   98
 D   77  →   91
 E   65  →   86
 F   45  →   85
 G   ○○  →   ○○ 12点アップ
 H   ○○  →   ○○  7点アップ
 I   ○○  →   ○○  5点アップ

 あれほどに気魄を込めてやりきったつもりでも、3人がまだまだ満足できる点数にはかなり遠く、次への課題として残りました。9名の平均点は72点でした。上位陣のケアレスミスを撲滅させ、100点続出にすることと、低得点の3人の底上げを目標に、期末に向けて再スタートです。

 いや、その前に朝ケ丘中・佐川中・葉山中の塾生諸君にも高得点をたたき出してもらえるように特訓しなければ!燃えています。

by kururin

2007年10月13日 (土)

中1英語・好成績

 須崎中の中間テストは、昨日・今日の二日間で終了しました。塾で最も力を入れている英語と数学の得点の取れ具合が気にかかり、今日授業のある中1・中2クラスの生徒たちが集まる午後7時過ぎをドキドキワクワクで待ちました。

 英語は初日でしたので、もう返却されていると予想したのです。案の定中1は返してもらっていましたが、中2はまだだそうです。中1クラスのみんなに報告してもらうと、みんな満面の笑顔で教えてくれました。

 あまりの頑張りぶりに感動し、握手・握手の連続です。嫌がって手を握ってくれない女子塾生もいましたが(笑)。飛躍的な得点アップを見せてくれた男の子の頭をゴシゴシとなでてやると、顔をくしゃくしゃにして喜んでいましたよ。

 成績が上がって喜ぶ塾生たちの姿を、この目で確認することができることくらい嬉しくて幸せな気分に包まれることは普段の生活にはめったにありません。これこそ「塾教師としての喜び、やり甲斐」だとしみじみと感激をかみ締めています。

 まだ朝ケ丘中・葉山中の中間テストがありますから、途中経過報告の域を出ませんが、一学期の期末テストの得点と比較すると見違えるほどの平均点の伸びを見せてくれました。須崎中学校の塾生9名に限ると「全員」が得点を上昇させてくれたのです。

 単純には比較はできませんが、一学期と比べると当然文法も単語も熟語も難化し、テスト問題の難度も増しているにもかかわらずこの好成績!情熱を込めて、力の限りに指導した成果がはっきりと数字に表れて、本当に「やったぞ」という充実感で胸はいっぱいです。

 英語が超苦手になっていきそうな男子塾生に合わせた授業を、9月初めから心がけました。スモールステップで、繰り返し単語と教科書の本文を音読し、ノートに何度も何度も書いて覚えてもらいました。自然と知らない内に身につくように、塾の授業内で力が付くように研究し工夫し、情熱を込めて教えました。

 のどが痛くなるほどの元気さで、私の後を追って呼んでくれる塾生たち。熱心で真面目で、可愛くてなりません。いつの間にか、教科書の本文をそらで言えるほどになりましたし、単語や熟語も「勝手に手が動くようになったよ」という声も聞かれるようになりました。

 ただ英語に苦手意識を持っている塾生たちは、単語力をアップさせるのが難しく、苦労しているのは事実です。記憶がなかなか定着してくれないのに加えて、ものすごい勢いでせっかく苦労して暗記したことを「忘れていく」のです。

 忘れていく量を超えて、単語や熟語を記憶としてしっかりと刻みつけ定着させようと、あの手この手と試行錯誤を繰り返し、今の指導法にたどり着いています。門外不出の秘伝ですので、ここではもったいなくてよう公表しませんが(笑)。

 指導するこちら側の情熱や熱意は、はっきりと伝わるものですね。英語超苦手・勉強嫌いの数名の塾生に寄り添い、けっして見限ったり見捨てたりすることなく、彼らのペースに合わせた授業を今回は構築するように心がけました。そして知識の定着を無理強いしたり、宿題を強制したりすることは一切しませんでした。

 ただし、塾での授業中は最大限の努力をするようにはっぱをかけました。上位陣には「待ってあげてね」と頼みながら、とにかくゆっくり繰り返し丁寧に厳しく、熱意を込めて教えたのです。

 不思議な現象が起きて驚いています。最下位層に合わせているにもかかわらず、上位・中位層の方にこそ顕著な成績アップの現象が見られるのです。このことは、今後の我が塾の指導の方向を示唆していると私には思えるのです。

 長くなりましたから、具体的な点数発表は次回とさせていただきます。

By kururin

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