さっそう&ひっそり
小学生、用意周到の子がいます。帰る準備に手抜かりがないのです。
授業が終わる時刻が近づいてくると、テキストを1冊カバンに入れ、それからノートを入れ、帰る準備をするのです。今日なんかは、机の上にある消しゴムのかすも取って、前もって捨てているのです。
私の「授業終わり」の声とともに、怪傑黒ずきんのようにさっそうと帰っていきます。ドアのところで、「先生、さようなら」と言って。
授業が終わってもすぐ帰らない子がいます。「お母さんが迎えに来るまでいさせてください」と言う子がいます。「いいよ」と言って、私は次の授業の合間に食事をします。その子の勉強の邪魔にならないようにひっそりと。心の中では『勉強しているのに食べてごめん』と言いながら。
by カイトウモハン
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